微粉砕・分散技術
粒子のダメージを抑えるマイルド分散®
微粉砕・分散する際に、課題となるのが対象物へのダメージ低減です。
粒子への衝撃を最小限に抑え、さらに表面活性も抑えて再凝集を防ぐ、というビーズミル(湿式微粉砕・分散機)における理想を実現しました。それがアシザワ・ファインテックの独自技術であるマイルド分散です。
マイルド分散®とは、一次粒子のサイズ、形状、結晶構造、表面状態などを維持したまま分散させる、当社の独自技術です。

粉砕と分散のちがい

マイルド分散® が必要な理由
従来の分散方法では、大きいビーズ高い周速等により粒子に強い衝撃を与えることで粉砕を行ってきました。つまり、100のエネルギーを1回で与えるイメージでの処理方法です。これにより粒子に過度なエネルギーがかかってしまい、粒子の表面が活性化して不安定な状態になり、再凝集や特性ダウンといった問題がありました。それに対し、マイルド分散では1のエネルギーを100回かけるようなイメージで分散しており、凝集体へ与えるエネルギーをコントロールします(下図ご参照)。

マイルド分散® 処理事例
処理事例 .1
酸化チタンの分散例として、粒子径の変化とX線回折の結果を以下にご紹介します。
グラフ1では、従来分散では凝集した状態で飽和していますが、マイルド分散ではさらに細かく分散されていることがわかります。これは、従来分散では粒子の表面が活性化して凝集しやすくなるのに対し、マイルド分散ではそのダメージを受けることなく分散ができているからと考えられます。グラフ2においても、従来分散(青線)に対してマイルド分散(赤線)は分散処理前と波長が揃っており、結晶構造が維持されていることが確認できます。

処理事例 .2
針状の二酸化チタンの分散例として、以下に電子顕微鏡を用いて観察した写真をご紹介します。
処理後の写真は、粒度上いずれもほぼ同じ値を示していますが、BET値が大きな違いを示しています。従来分散では、過大なシェアがかかったことにより針状が破壊されていますが、マイルド分散では、針状を維持した状態で一次粒子まで分散できていることが確認できます。

マイルド分散® の技術的要素
マイルドな分散を実現させる運転条件
- 1. 小径ビーズの使用
- ビーズミルで使用されるビーズ径は、一般的にφ0.03mm~φ2.0mmですが、ナノ粒子のマイルド分散の場合はφ数十μm〜百μm程度の小径ビーズを使用します。
小径ビーズを使用することで、単位体積当たりのビーズの個数が増え、粒子がビーズと接触する確率が高くなります。
また、ビーズ1個の質量が下がることで、粒子にダメージを与えない分散が可能です。
- 2. ビーズの充填率を下げる
- 小径ビーズの使用と併せて、さらに粉砕室容量に対して充填するビーズの量を少なくします。
通常70%~90%充填するビーズを40%~80%程度に下げます。ビーズ充填率を下げることで、粒子に与えるダメージを抑えます。
- 3. アジテータの周速を下げる
- ビーズに動きを与えるアジテータの周速を下げます。通常6m/秒~14m/秒に設定する周速を、4m/秒~8m/秒に下げます。
周速を下げることで、粒子に与えるダメージを抑えます。
上記、1~3のマイルドな条件で運転することにより、粒子へのダメージをかなり低減することが可能な反面デメリットも生じます。小径ビーズを用いることで作業性の低下、またアジテータの周速やビーズの充填率を下げることは能率を低下になります。
これらの課題を解決するために開発し、『理想的なマイルド分散』を実現させる装置がスターミル ナノ・ゲッターシリーズです。
マイルド分散®=理想的なビーズの動きを実現する機構
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4. スターミル ナノ・ゲッターのしくみ 粉砕室のL/Dを小さくすること、また特殊型のアジテータを採用することで、ビーズが周方向、半円方向、軸流方向の3次元に動く設計をしております。これにより、ビーズの動きが均一になり、無駄なエネルギーを抑えて、高いエネルギー効率で分散ができます(左図ご参照)。 |
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5. スターミル MAX ナノ・ゲッターのしくみ
ビーズが、らせん状の層流を形成し、粉砕室内にデットスペースや密集ポイントを発生させず、均一に存在させることを実現させる特殊ロータと整流部材を採用しております。これにより、粒子に適切なエネルギーを与え、効率良く分散します。
さらに、スラリー流動により粒子同士にせん断を与え、粒子同士が擦れ合うことにより行われる自生分散を促進させる攪拌機の機構をビーズミルに応用させた構造となっております。
スターミル MAXナノ・ゲッターのビーズの動きがよくわかる動画
以上のように、マイルド分散に特化させた機械的構造により、比較的大きなビーズや高い周速、ビーズ充填率で運転しても粒子の表面にダメージを与えにくいため、作業性と能率を維持した商業ベースでのナノ粒子分散に有効な装置です。
マイルド分散® 対応機種
マイルド分散® 処理事例
技術文献
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