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もっと詳しく! 微粒子技術コラム再現性の考え方

ビーズミルを用いて粉砕・分散処理を行ったスラリーの再現性は重要で、再現性が得られないと製品の性能などに影響を与える場合がある。
ビーズミルは一般的に再現性のとりやすい装置といわれているが、ビーズミルの運転条件が異なったり、スラリーの組成・砕料の粒子径・濃度に変化が起こると、運転条件の再検討が必要となる繊細な一面もある。
ビーズミルで再現性を得る方法は、処理物の性状によっても様々あるが、今回は同じスラリー組成でビーズミルの運転条件を変化させた場合の再現性について説明する。

ビーズミルにおける再現性の考え方

ビーズミルで再現性を得る方法は、

「1.ビーズミル内の滞留時間をあわせる」
「2.動力原単位をあわせる」

の2つがある。

※ 処理物1kgを目標の粒子径まで微細化するのに用いた消費電力量

滞留時間(スラリー中の粒子が粉砕室内で粉砕・分散された時間)

滞留時間は処理物の品質管理に一般的に使用されており、この考え方はビーズミル内が同じ状況下にある場合にのみ有効である。
ビーズやアジテータなどが摩耗によってビーズミルに変化が生じた場合は、滞留時間を合わせても再現性が得られず管理が困難になる。そのため、滞留時間を長くするなどの対策により、目標とする粒子径まで粉砕・分散する必要がある。
また、循環方式において通常よりも処理量が少ない場合、ホールディングタンクでのスラリーの冷却が不十分となり、スラリーの温度が高くなる。このため許容温度が低いスラリーはアジテータ周速を遅くする必要がある。その結果、目標とする粒子径まで粉砕・分散するためには滞留時間を長くしなければならない。

ここで、パス方式と循環方式の滞留時間の求め方を示す。

パス方式の滞留時間

ここで、RT:滞留時間[min]、VB :ベッセル容量[L]、P:ベッセル内空間率[-]、q:供給量[L/min]、N:パス回数[-]

循環方式の滞留時間

ここでは、
ML:処理量[L]
T:運転時間[min]

式1、式2の滞留時間にはアジテータ周速やビーズ充填率が変化した場合のファクターがないため、運転条件が変化した場合に再現性が得られないことがわかる。

動力原単位(目標粒子径まで固形分1kgを作るのに必要な消費電力量)

ビーズミルの運転条件がメーカーの決めている運転条件の範囲内であれば、動力履歴を考慮したほうが再現性を得るためには合理的である。ビーズや部材の摩耗が生じると動力が低下するので、動力が一定になるようにビーズを増量、アジテータ周速を調整することで、再現性が得られる。
この動力原単位での管理では、滞留時間にエネルギーを考慮したことになるので正確性が出てくる。さらに、時間、粒子径、粘度などの管理も行えば、正確性が向上する。また、動力履歴は記録として残るため、トレーサビリティーが可能となるので、生産工程においては重要である。
ここで、パス方式と循環方式の動力原単位の求め方を示す。

パス方式の動力原単位

ここでは、
ESP :投入動力原単位 [kWh / kg]
Ptot :動力 [kW]、P0 :無負荷動力 [kW]
mS:固形分の供給量[kg/h]

循環方式の動力原単位

式4より、

ここでは、
ESP :動力原単位 [kWh / kg]
Etot :消費電力量 [kWh]
E0 :無負荷消費電力量 [kWh](E0 =P0 ×T  T:時間 [h])
MS :固形分処理量 [kg]
T :運転時間 [h]

式3、式5の動力原単位量にはビーズミルの撹拌動力が用いられるため、アジテータ周速やビーズ充填率のファクターが含まれることから、運転条件が変化した場合にも再現性が得られることがわかる。

ビーズミルを用いた実験

実験1. ビーズ径の違いのよる動力原単位と粒子径の関係

大流量循環運転が可能なビーズミルを用いてビーズ径の違いのよる動力原単位と50%粒子径(X0.5)の関係を調べた。対象物には重質炭酸カルシウムを使用し、ビーズ充填率とアジテータ周速を一定とした(図1)。ビーズ径が小さいと少ない動力原単位で X0.5 が小さくなることがわかる。

実験2. ビーズ充填率とアジテータ周速を変化させたときの動力原単位と X0.5 の関係

0.3mmのビーズを使用しビーズ充填率とアジテータ周速を変化させた場合の動力原単位とX0.5 の関係を調べた(図2)。ビーズ充填率やアジテータ周速が変化しても動力原単位とX0.5 の関係はほぼ同一線のプロットにのるため相関があることがわかる。

実験3.粒子径分布の幅と動力原単位との関係

ビーズミルの再現性と粒子径分布の関係を確認するために、粒子径分布の幅と動力原単位との関係を調べた。分布の幅は90 % 粒子径(X0.9)から10 % 粒子径(X0.1)を引いた値(X0.9-X0.1)を使用した。
ビーズ径は実験2と同様に0.3mm のビーズを用いてビーズ充填率とアジテータ周速を変化させた(図3)。ビーズ充填率やアジテータ周速が変化しても、動力原単位とX0.9 -X0.1 の関係はほぼ同一線のプロットにのるため、相関があることがわかる。また、図2、図3よりビーズ径が同じならばビーズ充填率・材質、アジテータ周速が変化しても、動力原単位を合わせることで、X0.5 と粒子径分布の幅の再現性が得られることがわかる。

以上より、ビーズミルは動力原単位を管理することで、粒子径や粒子径分布幅の再現性が容易に得られるため、製品の品質管理が可能となる。

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