材質
訴求機能・特徴 導電性、低抵抗、熱伝導性、分散性、充填性
平均粒径 銅粉 50〜100 μm
銅超微粉 2〜5 μm
粒子形状 球状、破砕状、樹枝状
具体的用途例 銅粉 電磁波シールド材、焼結含脂軸受、焼結機械部品、ライニング、触媒、顔料、電装ブラシ、ブレーキパット
銅超微粉 外部電極、内部電極、スルーホール、メンブレインスイッチ、電磁波シールド材、タッチパネル、パワー半導体用接合材料、センサー、RFIDタグ
利用用途(粒径別) 50〜100 μm 粉末冶金
30〜50 μm 粉末冶金
10〜30 μm 粉末冶金、電子部品
5〜10 μm スルーホール、メンブレインスイッチ
1〜5 μm MLCC、スルーホール、メンブレインスイッチ
50 nm〜1 μm 銅メッシュフィルム

銅の主な機能

銅(Cu)は、赤褐色の色味をしている金属で、最も身近な存在では硬貨の10円玉があげられます。金属資源として銅は紀元前から世界中で活用されており、生産量も高いのが特徴です。

銅は様々な特徴がありますが、最も代表的な性質をあげるとすれば導電率の高さがあげられます。銅の導電率は、全金属中でも銀に次いで2位となっています。その高い伝導率と価格のバランスから、電線などにはほとんどが銅を採用しています。

ただし、銅は表面が酸化などの化学変化を起こす可能性があるため、コネクタなどの空気に触れる部分には、化学的に安定している金メッキが施されています。

さらに、溶接用の電極や放電加工の電極などにも銅は利用されており、工業用途での利用も盛んです。

熱伝導率の高さも銅の主な特徴です。銅は熱を伝える速度が早いため、パソコンなどのプロセッサーを冷やしたり、エアコンと熱交換器をつなぐパイプなどに利用されます。

熱伝導率の高さから銅製の鍋なども作られています。銅製の鍋は、お湯が沸騰するのが早いとされていますが、最近は価格の問題からアルミの鍋が主流になってきており、銅製の鍋はプロフェッショナル向けとなっています。

銅が古くから利用されてきたのは、加工性が高いという理由もあります。鉄などは、叩いたり曲げたりしてしまうとすぐに脆くなってしまいますが、銅はしなやかで割れたり、欠けたりしにくいことで知られています。

また、銅は表面が酸化や硫化しやすいという特徴があります。しかし、この表面の酸化膜などは、腐食などの進行を防ぐ役割があり、内部にまで腐食されにくくなっています。そのため、古くは屋根瓦などの留め金具などとして使われていました。

表面が酸化していくと、銅は徐々に色味が変わっていきます。赤褐色だったものが徐々に黒くなっていき、最終的には青っぽい緑へと変化していくのです。この色味は「緑青(りょくしょう)」と呼ばれます。ちなみに「自由の女神」や「鎌倉大仏」などの色味はこの緑青によるものです。

銅には抗菌作用もあり、銅の抗菌作用は「O-157」などの大腸菌などに特に強く作用することが証明されています。

また、粉末にした銅は、その放熱性から車のブレーキパッドなどに練り込まれ使われています。

銅ナノ粒子の利用用途

銅をナノ粒子化すると、銅のナノ粒子は沈殿しにくくなり、混ざりあった状態を維持するようになり、分散性が高くなります。

銅ナノ粒子の利用が特に期待されているのが「プリンテッドエレクトロニクス」です。プリンテッドエレクトロニクスは、銅ナノ粒子を含んだ導電性のインクを、基盤や製品などに直接印刷し、配線をプリントするというものです。

このプリンテッドエレクトロニクスには、金や銀のナノ粒子も利用されますが、金は価格面、銀はイオンマイグレーション(イオンが原因で起きる配線のショート)という課題があり、銅が今最も期待されているのです。

従来は、「フォトリソグラフィ」と呼ばれる技術を使って、微細な電気配線を施していました。しかし、フォトリソグラフィでは酸などの薬品を使うことから、酸化するなどの化学的変化しやすいという弱点がありました。酸で変化しやすい銅は不向きとされていたのです。

ところが、プリンテッドエレクトロニクスでは、酸などを使わないため、加工中の性質変化が起きにくくなっています。スクリーン印刷、インクジェット印刷などを用いて、基材に印刷し、焼き付けるというのが一般的です。

銅ナノ粒子を用いた導電性インクでは、およそ100μm程度の配線ができるようになっています。銅ナノ粒子を用いたプリンテッドエレクトロニクスは、さらに微細な配線技術の要として、現在も研究が進められています。