アルミナ

    
材質 アルミナ
訴求機能・特徴 高硬度、高融点、耐熱性、電気絶縁性、耐摩耗性
平均粒径 汎用・活性:40 μm〜100 μm、低ソーダ・易焼結:1〜10 μm、高純度:0.1〜1.0 μm
粒子形状 破砕状、球状
具体的用途例 ガラス材料、放熱材料、LED、LiB、耐火物、産業用機械部品、研磨剤、触媒、自動車部品、触媒担体、レンガ
利用用途(粒径別)

40 μm〜100 μm 耐火物、ガラス
10 μm〜40 μm 触媒
1 μm〜10 μm 産業用機械部品、自動車部品、研磨材、放熱フィラー
100 nm 〜 1 μm 高純度アルミナ

アルミナの主な機能と用途

アルミナは、アルミニウム(Al)の酸化物である「酸化アルミニウム(Al2O3)」を指します。

アルミニウム元素は、地球上でも3番目に多く地球に存在する元素です。アルミナは、アルミニウムの原料である「ボーキサイト」の中に、50%程度含まれています。ボーキサイトが産出されるのは赤道付近に集中しており、オーストラリア、中南米、アフリカなどがあげられます。

アルミナは天然ではコランダム、ルビー、サファイアなどとして産出され、宝飾品として利用されています。人工的に製造も一般的で、人工的にアルミナを製造する場合は、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を焼成します。純粋なアルミナは、乳白色をしているのが特徴です。

ボーキサイトからアルミナを取り出す手法は「バイヤー法」と呼ばれます。バイヤー法では、乾燥・粉砕したボーキサイトに苛性ソーダを加え、アルミン酸ソーダを取り出し、加水分解で水酸化アルミニウム精製し、それを焼成してアルミナを取り出します。

アルミナは、セラミックスの代表格とも言え、製造技術や価格も安定しているのが特徴です。高純度のアルミナは「ファインセラミックス」に分類され、様々な工業用途で利用されます。

アルミナは電気絶縁性が高く、高温下でも絶縁性を維持します。そのため、エレクトロニクスなどの部品素材としてよく利用され、半導体基板などでよく利用されます。耐摩耗性高い熱伝導率を持つことから、工業用炉材の摩耗部品などの素材としても好まれます。

その他、陶芸や自動車の排気ガスを浄化するフィルターの担体用素材としても使用されます。アルミナを使ったセラミックスは、金属とは異なり、金属イオンがとけだしたりする心配がなく、耐摩耗性などにも優れていることから、人工関節や人工骨などにも利用されます。

アルミナは高いモース硬度を持ち、ダイヤモンドが10、アルミナが9と、2番めの硬さを持つのが特徴です。この硬さと価格の安さから、研磨剤などとしても利用されます。砂状のものを吹き付けて表面を研磨したり、荒らしたりする「サンドブラスト」では、多くの場合でアルミナを砂状にしたものが使われています。

他にも切削工具の部品などに使われますが、アルミナは高い硬度を持つ反面、衝撃に弱く脆いという特徴があるため、衝撃が伴う用途には向きません。

天然下で存在するコランダム、ルビー、サファイアなどは、アルミナの結晶体です。コランダムはアルミナの純粋な結晶体で、ルビーはコランダムにクロムが混ざり赤色になったもの、サファイアは鉄・チタンが混ざり青色になったものを指します。

コランダムなどは、現在では簡単に合成ができるようになりました。合成されたコランダムなどは、固体レーザーの発振器や精密機械の軸受などによく利用されています。

アルミナナノ粒子の主な機能

アルミナをナノ粒子化したものは、セラミックスとして高い性能を発揮するとされています。

アルミナをナノ粒子化した場合、セラミックスの表面積が大きく広がります。そのため、自動車の排ガスなどを浄化するフィルター担体としての性能向上。気体や液体中の粒子を除去するための分離フィルターの素材としての活躍も期待されています。

ナノ粒子化したアルミナは透明性が高くなるため、高い透光のあるセラミックスとしても活用が期待されています。この技術では、低消費電力の証明の開発が期待されています。

また、水を分散媒にしたものは、コーティング材などとしても活躍しています。アルミナナノ粒子でコーティングすると、親水性が高まり表面が濡れやすくなります。また、紙や繊維などには、塗料の染み止め効果を目的に添加されるのが特徴です。