プラチナ

    
材質 プラチナ
請求機能・特徴 耐酸化性、耐腐食性、耐熱性、強度、触媒
平均粒径 0.01ー300μm
粒子形状 球状
具体的用途例 メートル原器、キログラム原器、排ガス触媒、宝飾品、腐食防止、抗菌、電極、燃料電池(固体高分子形)、光触媒
利用用途(粒径別) 0.01〜300 μm 触媒
3〜10 nm 燃料電池
0.01〜100 μm 光触媒

プラチナの主な機能

プラチナは元素記号Ptで示される金属で、白色の光沢を持ちます。比重が21.45と重く、金19.32、銀10.50gと比べてもかなり重いことがわかります。プラチナは日本語では「白金(はっきん)」と言いますが、金が母材の合金である「ホワイトゴールド」とは異なります。

レアメタルの中でもプラチナは特に希少で、産出される量は金の3%以下。リサイクルされたものを含んでも、年間およそ230tとされています。プラチナが産出されるのは、南アフリカ共和国、ロシアなどです。

プラチナの大きな特徴は、その化学的な安定性です。プラチナは化学変化を起こしにくく、中でも酸に対して強い特徴があります。「王水(濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混ぜたた液体)」でしか溶けないとされています。

化学的に安定している特徴から、キログラム原器、メートル原器などでも使われていました。いずれもプラチナ90%、イリジウム10%の合金で作られたものです。しかし、化学変化や原器の清掃などによって、重量や長さが微妙に変化することからキログラム原器は2019年5月20日に、メートル原器は1983年に廃止され別の基準が用いられるようになりました。

プラチナは貴金属に分類されますが、融点が1769℃と、金や銀の1000℃前後に比べて高く、本格的に精錬して宝飾品として利用されるようになったのは18世紀ごろとされています。紀元前にもプラチナを加工・利用していたことが判明していますが、その頃は溶解して利用するのではなく、粉末にして粉末冶金のような形で加工していたようです。融点が高いことから、電解や各種金属メッキなどの電極としても使われます。

プラチナは、展延性などに優れており宝飾品として扱いやすい金属ではありますが、純プラチナでは柔らかすぎ、傷が入りやすいなどの問題も。そのため、一般的な宝飾品で使われるものにはパラジウムやルテニウムなどを少量添加したプラチナ合金であるのが一般的。t850、Pt900、Pt950、Pt999など、プラチナの分量によって呼び名が変わります。Pt900であれば、プラチナが90%含まれていることになります。

近年では、プラチナは宝飾用途よりも触媒としての利用価値が高まっています。特に工場や車の排ガスを浄化する「排ガス浄化触媒」として利用されています。自動車用の触媒では、セラミックスなどをハチの巣構造にし、穴の中にプラチナなどを含んだ触媒材を薄くコーティングして利用するのが一般的です。プラチナの触媒はこのような構造を使って、炭化水素や一酸化炭素、窒素酸化物などの有害物質を、水や二酸化炭素、窒素などに変換するのに利用されています。

プラチナナノ粒子の主な機能

プラチナをナノ粒子としたものは、「プラチナナノコロイド」とも呼ばれることがあります。

プラチナナノ粒子を分散させた液体をスプレーなどで塗布すると、抗菌性や抗ウィルス性があることがわかっています。アルコールなどでの除菌は短時間の効力しか発揮されませんが、プラチナナノ粒子は長時間に渡って抗菌性、高ウィルス性を発揮するとされています。

また、水素と酸素を反応させる燃料電池の技術でも、触媒としてプラチナナノ粒子の活躍が期待されています。燃料電池で使われるプラチナナノ粒子の活性度合いは、ナノ粒子を構成する原子の数で大きく変わると発表されています。19個のプラチナ原子をひとかたまりとしたPt19は、一般的に用いられている3~5ナノメートルのプラチナナノ粒子の20倍もの活性を持っているとされています。

また、プラチナナノ粒子は、抗酸化作用があるとされており、健康食品や化粧品などに利用されますが、安全性や有用性の立証に十分なデータがないとされています。利用には注意をしたほうがいいでしょう。