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もっと詳しく! 微粒子技術コラム分散と過分散について

ビーズミルを用いた超微細化への追求にはナノメートルサイズへの分散が求められており、達成するためには微小ビーズの使用が必要不可欠である。凝集体の大きさや硬さにもよるが、ビーズ径が小さいと分散体の粒子径も小さくなり、エネルギー効率も向上する。一般に、ナノメートルサイズまでの分散には 0.1mm 以下の微小ビーズが使用されており、今回は酸化チタンを用いた 3 つの実験例から分散・過分散について説明する。

凝集の強さ1)

分散のされかたは粒子に作用する力と凝集体の強度に応じて変わり、凝集体の強度と 1 次粒子の大きさの関係は式 1 となる。

ここで、 σt は粒子層の引張り強さ、ε は層の空間率、k は配位数( 1 個の粒子が平均何個の粒子と接しているかを示す値である。例えば、k は式 2 と表せ、ε との相関がある)。x0 は層を構成する 1 次粒子の直径(粒子径のそろった球形粒子)であり、F0 は 2 粒子間の付着力である。微小な粒子では、 F0 は x0 に比例することが多いので、前述の式 1 は式 3 となって、

粒子層の強さ σt はその層を構成する粒子の大きさ x0 に逆比例することになる。粒子層の強度は、層を形成する粒子が小さいほど大きくなる。また、層の空間率 ε が小さいほど強度が大きくなるが、これは粒子と粒子の接触点の数(配位数 k )が増えるためである。
凝集体は多くの 1 次粒子からなる粒子層のため、微小な粒子からなる凝集体のほうが分散されにくいことになる。

ビーズミルに関する 3 つの実験

実験 1.ビーズ径の違いを比較

実験 1 で用いた酸化チタンは1次粒子が小さいため強い凝集性を持つ凝集体である。ビーズ径の大きさを変えて分散したときの酸化チタン 50 % 粒子径( X0.5 )と動力原単位(スラリー中の粉体 1kg を作るのに必要な電力量)の関係を図1に示した。ビーズ径が小さいほど少ない動力原単位で X0.5 が小さくなった。また、微小ビーズになるほど酸化チタンは細かくなった。

ビーズ径の違いによる動力原単位とX0.5の関係

実験 2.ビーズ径と材質を比較

実験 2 の酸化チタンは実験1で使用した粒子よりも 1 次粒子が大きく、強い凝集性を持たない小さな凝集体である。ビーズ径の大きさ・材質を変えて分散したときの酸化チタン 50 %粒子径( X0.5 )と動力原単位の関係を図2に示した。動力原単位はビーズの材質よりも径の影響を大きく受けることが分かった。
さらに X0.5 が約0.15 μm以下になるとグラフの傾きは変化した。これは1次粒子径よりも細かくなったことから、酸化チタンを粉砕していると考える。 0.05 mmは他のビーズよりも低い動力原単位で傾きが変わったが、 0.3 mmでは1次粒子径まで微細化できなかった。使用するビーズ径によって粉砕エネルギーやビーズの個数が変わるため微細化できる大きさは異なると考える

ビーズ径による動力原単位とX0.5の関係

実験 3. ビーズ材質とアジテータ周速を比較

実験 2 と同じ材料を用いてビーズ材質と周速を変えて分散したときの酸化チタン 50 %粒子径( X0.5 )と動力原単位の関係を図3に示した。
アジテータ周速やビーズ材質が変わっても、ほぼ同一線上のプロットになったことから X0.5 は動力原単位に依存することがわかった。酸化チタンの粒子径が1次粒子径に近づく( X0.5 = 0.15μm )とプロットの傾きは変化した。
これは動力原単位の低いところでは凝集体の解砕・分散が主に進行し、動力原単位の高いところでは 1 次粒子の粉砕が主に進行していると考える。

アジテータ周速とビーズ材質の違いによる動力原単位とX0.5の関係

まとめ

近年ではビルドアップで製造したナノ粒子を 1 次粒子近くまで解砕し、均一な状態を維持することや、粉体の特性、機能を向上させることが求められている。
従来のビーズミルでは、ミル内に粒子が滞留する時間を長くして、粒子に強い衝撃力やせん断力を与える方法がとられているが、対象物によっては特性の低下や、スラリー粘度の上昇、分散した粒子が再凝集することもある。これを過分散といい、粒子が線結合は点結合で緩やかに凝集している場合でも強い粉砕エネルギーが 1 次粒子を粉砕し、粉砕した面が活性化する現象である。
初期の粒子径や凝集状態を考慮したビーズ径の選定は必要だが、分散の場合は微小ビーズが有効である2)。過分散による不具合を防止するためには、「ビーズミルの構造などを検討」、さらには「アジテータの周速やビーズ径などの分散方法の検討」が必要となる。

引用文献

  1. 1)日本粉体工業技術協会編集:“微粒子工学-分散の基礎と応用-”, p.3 ,朝倉書店( 1994 )
  2. 2)石井利博,橋本和明:J.Jpn.Soc.Colour Mater.,85,4,144(2012)

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