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もっと詳しく! 微粒子技術コラム摩耗と粉砕効率について

ビーズミルは、ベッセル内でビーズをアジテータにより強力な力で攪拌することで、ビーズに運動エネルギーを付与し、この運動エネルギーを持ったビーズに粒子を捕捉させて衝突力やせん断力などのビーズが持つエネルギーで微細化する装置である。このためビーズやアジテータなどの部材の摩耗は避けられない。
摩耗はビーズ材質、アジテータ周速、粒子や溶媒、スラリーの固形分濃度、スラリー粘度などの運転条件や対象物によって進み方に違いはあるが、ビーズの摩耗が最も多く、回転部材のアジテータ、ベッセル内筒の順に摩耗は少なくなる。ビーズやアジテータの摩耗は粉砕・分散性能に著しく影響するため注意が必要である。
今回は摩耗と粉砕効率ついて説明する。

ビーズの摩耗が及ぼす影響について

ビーズの摩耗により粉砕室内の充填率が5% 減少すると、ビーズ径は1.7% 減少する。砕製物の粒子径に影響は少ないと思われるが、ビーズ充填率の低下による粉砕・分散効率の低下が発生する。この効率の低下を防止するためには、ビーズを追加投入するか、アジテータ周速を調整して電力値を合わせる。
しかし、摩耗し小さくなったビーズは、ギャップセパレータやスクリーンへの閉塞の原因となる場合があるので、ビーズ径の管理も必要になる。当社では、ビーズの交換はビーズ径が2/3以下になったときを目安としている。
これは摩耗していないビーズの充填率を100%とすると、ビーズを追加投入しないでビーズ径が2/3になるまで使用した場合、充填率は29.6%まで少なくなるため運転条件としては現実的ではない。そのため、初期運転時の電力値を測定しておき、同じアジテータ周速で電力値が初期電力値よりも5%程度低下したらビーズを追加投入し、電力値を調整する必要があると考える。
摩耗しやすいガラスビーズは100時間、耐摩耗性が高いジルコニアビーズは600時間を目安に摩耗状態などを点検することを推奨する。この点検時に、各部品の重量や寸法を測定して摩耗の進捗度の記録し、それぞれの部品の交換次期を把握する。例えばビーズは、ふるいなどでビーズ径を確認するとよい。摩耗は溶媒によっても差が出る場合があり、一般的に粘性が200~300mPa・s のスラリーや油系の溶媒では摩耗しにくいといわれている。
ビーズが摩耗した場合、動力原単位とビーズ径の管理により再現性や粉砕・分散効率の低下の防止、製品の品質管理が可能になる。

ビーズ径の異なるビーズが混合している場合の粉砕効率の変化

ビーズを追加投入すると径の異なるビーズが混じることになる。そこで、径の異なるビーズを混合したときの粉砕効率を調べた。 ビーズは1.0 mm と 0.3 mm のジルコニアビーズを使用し混合割合( 1.0 mm:0.3 mm )を100:0、75:25、50:50、25:75および0:100とした。対象物には重質炭酸カルシウム(メディアン径X0.5 =7.5 μm )を固形分濃度50 mass%に調製したスラリーを使用し、アジテータ周速を12 m/s、ビーズ充填率を80 vol%とした。
動力原単位と砕製物の50%粒子径(X0.5 )の関係を図1に示す。径の小さいビーズの混合割合が多いと少ない動力原単位でX0.5 が小さくなり、微細化の速度も速くなった。ビーズ径を0.5 mm と0.3 mm に変更しても同様の結果となった。
小径ビーズの効果は周知の通りであるが、径の異なるビーズを混合した場合も混合比に応じて小径ビーズの効果が現れる。このように、ビーズ径は粉砕効率に大きく関わる因子であり、再現性を得るためにはビーズ径の管理が重要になる。

アジテータの摩耗とクリアランスの関係性、その対策法

アジテータが摩耗しても粉砕・分散効率は低下する。アジテータとベッセル内径のクリアランスを6.0、7.5、9.0、10.5 mm 変更し、摩耗時を想定して粉砕効率と動力原単位の関係を調べた。対象物には50%粒子径X0.5 が24.4 μmの重質炭酸カルシウムを固形分濃度50 mass% に調製したスラリーを使用し、0.3 mm ビーズを用いた(図2)。クリアランスが変化しても動力原単位に応じて50%粒子径(X0.5 )は減少した。
この結果からクリアランスをアジテータの摩耗と想定すると、アジテータの摩耗が大きくなりアジテータとベッセルのクリアランスが広くなることで微細化の速度は遅くなる(粉砕効率が低下する)が、回転数を高くする(アジテータ周速を速くする)などの対策により電力値を合わせることで、粉砕効率を維持と再現性を得ることができる。

まとめ

ビーズミルでは、ビーズやアジテータなどの部材の摩耗は多かれ少なかれ避けられない。そして、このビーズやアジテータの摩耗は粉砕・分散性能に著しく影響する。このため、これらに摩耗が発生した場合は、再現性や製品の品質管理が難しくなるが、動力原単位を用いることで、ビーズやアジテータにある程度の摩耗が発生しても再現性が得られ、製品の品質管理が可能になる。

引用文献

  1. Toshihiro ISHII、Kazuaki HASHIMOTO:Influence of Bead Diameter on the Grinding Efficiency of a High-Flow Recirculation Bead Mill 、Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan、20、pp.41-49(2013)

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