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もっと詳しく! 微粒子技術コラムビーズミルの保守点検で粉砕・分散効率の低下を防ぐ

安定した製品作りには、装置の定期的な保守点検も大事である。ビーズミルは、粉砕室内のビーズに回転軸で運動を与え、ビーズ間の衝突やせん断などにより対象物を微細化する。そのため、点検箇所の多くが粉砕室となる。運転条件やスラリー(または粉体)の特性により違いはあるが、粉砕室内は摩耗するため摩耗量の把握が製品の品質を保つことに繋がる。
今回は、ビーズミルを安定して使用し続けるため、必要な保守点検について説明する。

ビーズミルの定期的な点検箇所

粉砕室内では、ビーズの衝突や摩擦などにより摩耗が生じる。合わせて、ビーズを攪拌するアジテータや粉砕室を覆うベッセルもビーズとの衝突や摩擦などにより摩耗する。一般的に、摩耗量の割合は「ビーズ>アジテータ>ベッセル」の順となる。
摩耗は、粉砕・分散効率の低下の原因となり、場合によってはビーズミルの安定運転や製品の品質にも影響を与えてしまうことになる。
このため、軸封装置であるメカニカルシールや動力を伝達するベルトなどを定期的に点検することで、トラブルのない運転が可能となり、製品の品質も安定する(図1)。

図1 点検箇所

ビーズの交換タイミングと点検方法

ビーズは摩耗すると径が小さくなり、ベッセル内のビーズ充填量が減少するため、粉砕・分散効率が低下してしまう。ビーズ径が 2/3 以下になると、セパレータへの目詰まりや噛み込みによる閉塞の原因となり、質量は未使用時よりも約 70% 減少するため交換を推奨する。ここで、初期ビーズ直径を d0 、摩耗後ビーズ直径をd1とすると、ビーズの摩耗率 m は式 1 となる。

具体的な点検方法は、次の4ステップがある。

1.初期運転時の電力値を測定(この値を基準とする)
2.運転時間ごとに電力値を記録し、所定の電力値(初期電力値より5%減)まで下がった時点でベッセルからビーズを全量抜き出し摩耗量を把握する
3.ふるいなどにより 2/3 以下になったビーズを取り除き、不足分は同径同質の新しいビーズを補充し、電力値を初期運転時の値に戻す
4. 1~3 により摩耗量を把握した後は、ビーズを追加投入して動力が一定となるように補正する。追加補充したビーズ量の合計が初期の 0.7 倍に達した際は全量交換を実施する。

初期投入ビーズ量の 0.7 倍のビーズを追加すると、ビーズの使用量が初期投入量の 1.7 倍になるので、計算上では初期投入のビーズ径が 2/3 になる。この作業により動力の変化が少なくなり、さらに運転条件の変動も少なくなるため、結果的には製品の品質が安定する。

アジテータの摩耗量と攪拌部材の交換時期

アジテータの摩耗は攪拌動力に著しく影響するため、摩耗量を把握することは重要である。
ビーズミルの攪拌動力 ρ[W]は、式2で表わすことができる(アジテータ回転数= n [1/s] 、アジテータ径= D [m]、 ρGM [ kg/m3 ]とする )。ビーズミルの攪拌動力は、アジテータ径の 5 乗で減少するため、少しの摩耗でも攪拌動力が減少し、粉砕効率の低下に繋がることが分かる。

摩耗量が大きい場合は、速やかに攪拌部材の交換が必要である。また、アジテータが若干摩耗した場合は、周速を速くして動力を合わせることで、粉砕効率の補正は可能となる。しかし、アジテータの回転数が設計した範囲を超える場合は攪拌部材の交換が必要となる。
ちなみにビーズの点検と同時に、攪拌部材の重量や寸法を測定しておくことで、摩耗の進捗度を数値で把握・管理できるため部品の交換時期も明確になる。

セパレータの保守点検

スラリーとビーズを分離するセパレータには「スクリーン(セパレータ)」や「ギャップ(セパレータ)」といった 2 つのタイプがあり、シックネスゲージなどを用いて間隔の広がりを定期的に点検できる。
摩耗によりセパレータの目開きや間隔が広くなると、ビーズがスクリーンの目詰まりや、ギャップセパレータへの噛み込みの原因となる。このため、開放点検時には摩耗状態の点検が必要である。

メカニカルシールの保守点検

※ メカニカルシールを使用したビーズミルの場合

メカニカルシールは、ビーズミルのスラリーがモータなどの駆動系に漏れないように使用するシールであり、ビーズミルの性能と信頼性を支える上で不可欠な機械要素だ
通常運転時の点検項目は、シール圧やシール液レベルの下がり方の変化、シール液出口温度の異常上昇、シール液の汚れ具合などがある。破損などのトラブルが発生すると運転ができなくなるばかりか、シール液がスラリーに混入することもある。
メカニカルシールに用いるシール液は、基本的にスラリーと同じ溶媒を用いており、混入による対策はしているが、トラブルを未然に防ぐためにも点検は重要な作業である。

駆動用ベルトの保守点検

駆動用ベルトは、モータの力をアジテータの力に変換する際に用いる。動力の伝導は摩擦に依存しているため、ベルトの張り調整や交換をしないまま使用すると、「伸び・すり減り・ひび割れ」が生じ、ベルトの切断などが発生する場合もある。これらのトラブルを未然に防止するためにも1カ月ごとにベルトの張力と損傷を点検する必要がある(図2)。

図1 点検箇所

その他のビーズミルの点検項目

その他にも日常に行うべき点検項目がいくつかある。特に「ビーズミルからの異常音や振動の有無」「各部配管からの空気や液体の漏れの有無」「ベアリングハウジングの温度が異常に高くなっていないか」が挙げられる。これらの点検項目も、日常的に点検することでビーズミルのトラブルを未然に防止し、適切なタイミングによる消耗部品の交換が図れる。

まとめ ビーズミルを使い続けるためにも保守点検は重要

ビーズミルにおけるベッセル内のビーズや各部材の摩耗は、「ビーズ材質」「アジテータ周速」「粒子(対象物)や溶媒」「固形分濃度」「スラリーの粘度などの運転条件や処理条件」によって進み方が異なる。このため各部品に対する標準的な耐用時間が決められないのが実情だ。このため定期的に点検を行い、各部品の重量や寸法を測定して摩耗の進捗度の記録することで、それぞれの部品の交換時期を把握することが大切である。
保守点検を行うことで、ビーズミルをトラブルなく安定して使い続けられ、機械自体の寿命も延ばすことにもつながる。

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